八幡通り歯科マガジン 「酸」から歯を守る

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  • 「酸」から歯を守る夏のこの時期、暑さで食欲が落ちると、冷たいものやさっぱりしたものが食べたくなりますよね。
    夏の定番『冷やし中華』は、さっぱりと酸味のきいたスープが食欲を増進させてくれます。

    また健康のため、不足しがちなビタミンなどの栄養素を補うために、野菜ジュースや黒酢、果汁100%飲料などを積極的に飲んでいる、という人も多いかもしれません。
    しかし、このような飲料には酸性度の高いものが多く、摂取のしかたには注意が必要です。

    今号では「酸」から歯を守る食事のしかたについてご紹介します。

  • 私たちの口の中は

    食事をすると、私たちの口の中は酸性に傾きます。
    その酸によって歯の表面のエナメル質からリン酸とカルシウムが溶け出します。(この現象を脱灰といいます。)
    しかし唾液には酸を中和させ、歯から溶けだしたリン酸やカルシウムを再び歯に浸透させる働きがあります。(これを再石灰化といいます。)

    酸っぱい梅干しで唾液が大量に

    梅干しなどのすっぱいものを口にしたり、想像しただけで自然と唾液が口の中にあふれてくるのは、強い酸に備えるための生体反応なのです。
    これは私たちが意識しなくても、毎日、毎食後、自然に起きている口の中の現象です。

  • 歯を溶かす「酸」とは

    通常口腔内はpH6.7のほぼ中性です。酸性度がpH値5.5を下回ると歯のエナメル質が溶け始めます。

    むし歯菌が酸を出して歯を溶かす

    ■ むし歯菌の出す「酸」
    口腔内の細菌が、砂糖やでんぷん質を栄養にして出す酸

    ■ 食品に含まれる「酸」
    炭酸飲料やスポーツドリンク、食酢や柑橘類など、飲食物の酸

    ■ 病気や体調不良による「胃酸」
    逆流性食道炎や拒食症、ストレスによる胃炎など、口内に上がってくる胃酸

    もちろん、これらの「酸」がすぐに歯に悪影響を及ぼすわけではありません。
    酸性に傾いた口腔内を、早めに中性に戻すような食事のとり方を心がけることが大切です。

  • トラブルを招きやすい「食べ方」

    食事のたびに、私たちの口の中では脱灰と再石灰化をくり返し口腔内を中性に保っています。
    このバランスがしっかりとれていれば、むし歯にはなりません。

    しかし、むし歯菌のエサとなる糖を多く含むお菓子やジュースをだらだら食べたり飲んだりしていると口の中はいつまでも酸性の状態が続き、脱灰が進むと修復(再石灰化)が追いつかずにむし歯へと進行してしまいます。

    他にも、炭酸飲料などの酸性度の高い飲み物をちびちび飲んだりするのもよくありません。柑橘系の果物や100%果汁のジュース、黒酢やワインなど美容と健康に良いとされている食品も、その強い酸によって歯のエナメル質を溶かし、やわらかくしてしまいます。

    食品のpH値表

  • トラブルを招きやすい「食べ方」食後の口内の酸性度の変化グラフ

    食事で酸性に傾いた口の中は、食後20分ほど脱灰が続きます。その後は唾液の働きでpHが回復し再石灰化が始まります。
    ポイントは脱灰の時間を少しでも短くすること、食事と食事の時間をしっかりあけ、再石灰化を促し中性の状態を保つことです。

    甘いものや果物は、間食として食事の時間と分けるのではなく、食後のデザートとして食べる。

    のどを潤したいときはお茶か水を。あめやガムはシュガーレスやノンシュガーのもので。
    熱中症対策でスポーツドリンクを飲むときは水で薄めて飲むのがおすすめ。

    酸性の飲食物はできるだけ日中に摂るようにして、摂取後は早めに水で口をゆすぐ。

    カルシウムを多く含むヨーグルトや牛乳などは噛むように飲むと効果的!

    食事のときはよく噛んで食べる。噛みごたえのある食材を取り入れたり、大きめにカットしたりして『よく噛む』工夫を。

    歯が健康であることは美容や身体の健康維持にも大切なことです。毎食後の歯みがきとお口の定期健診も忘れずに!

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