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今『昭和レトロ』がブームになっていますね。バラエティ番組等でも昭和のスターが、当時と変わらない若々しい声で往年のヒット曲を歌っているのを視聴したことがある、という人もいるかもしれません。
私たちは、年齢を重ねてもハリのある若々しい声を保ち続けることはできるのでしょうか?
※声帯
私たちが声を発する『のど』は「咽頭(いんとう)」と「喉頭(こうとう)」のふたつに分けられます。
そして、声を発するうえで重要な働きをしているのが、『声帯』という筋肉です。声帯は左右一対となった細長い筋肉で、男性で1.5センチ、女性では1センチほどの長さで、のどぼとけの内側にあります。
声帯は呼吸をするときには開いていますが、声を出すときには閉じています。
声帯の筋肉が弱くなると、息が漏れて声がかすれるようになります。
※横隔膜・腹筋
体内への空気の出し入れ(腹式呼吸)の要となる筋肉。ここが衰えると安定した声量が保てなくなります。※舌筋・口輪筋・表情筋
明瞭なことばを発するのに重要な筋肉。ここが衰えると、滑舌が悪くなりぼそぼそとした話し方になってしまいます。
※加齢による声帯の筋力低下とホルモンの減少
腕や脚の筋力と同じで、声帯の筋肉も年齢とともに弱くなります。
更年期になると、女性ではエストロゲンの減少により声が少し低くなり、男性ではテストステロンの減少により少し声が高くなる傾向があります。※コミュニケーションの不足
現代社会では、SNSによるコミュニケーションが発達し、テレワークも定着したため、会話をする(声を発する)機会が減っているといわれています。
※のどの乾燥に注意!
潤いのあるツヤ声を維持するためにも、これからの季節はのどの乾燥にとくに注意が必要です。こまめに水分を補給してのどの乾燥を防ぎましょう。※鼻呼吸+腹式呼吸で体幹強化!
鼻呼吸は空気を湿らせてから肺に送り込む天然の加湿器です。腹式呼吸はお腹周りの筋肉をしっかり使うので姿勢も良くなり、ポッコリお腹も防ぎます。※チューブ発声法でトレーニング

衰えた声帯を鍛え直す方法としておすすめの方法です。
①ストローを噛まずにくわえて、「ウー」と5秒以上声を出す
②「ウー」を低音から高音まで鼻に抜けるように発声し、続けて高音から徐々に低音へ戻していく
③1日50回、2週間継続する その後は3~4カ月に1回、1週間の集中トレーニングを行う
(国際医療福祉大学東京ボイスセンター長:渡邊雄介氏著_フケ声がいやなら「声筋」を鍛えなさい_より)
※毎日声を出す習慣を!
朝起きたときや夜寝る前に、軽くハミング(鼻歌)で好きな曲のフレーズを歌ってみましょう。いつも同じ曲にすると、朝と夜、または日によって息継ぎのタイミングや声のコンディションの変化に気づくことができます。
その他にも、新聞や本を声に出して読むのもおすすめです。

声の老化を予防するための習慣は、脳を活性化させることにもつながりますし、誤嚥性肺炎や睡眠時無呼吸などの予防にも有効です。
また、体幹を安定させて声を発することはフレイル(加齢による心身の虚弱)の予防にも効果的です。
八幡通り歯科マガジン 声の老化
on 2025年11月1日
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